■ 耐薬品性(臨界歪みε(%))
試薬 | SH-970 | 一般ABS |
---|---|---|
浴槽洗剤(エアジェットタイプ) | 1.1 | 0.6 |
髪染剤 | 2.5< | 1.6 |
サラダ油 | 2.5< | 1.5 |
日焼け止めA (SPF50+ PA++++) | 1.2 | 0.6 |
日焼け止めB (SPF30 PA++++) | 2.5< | 1.7 |
【耐薬品性評価方法】
参考文献:樋口裕思,1/4楕円法を用いた耐環境応力割れ性と溶解度パラメータ,成形加工,2014,vol .26 ,No.10,p. 478-481
1/4 楕円法
下図のような形態で樹脂試験片を測定器具に裝着し、試薬の化学物質を試験片の表面に塗ります。
化学物質が蒸発するのを防止するため、キムタオルに試薬を染み込ませて、試験片に装着することもあります。
約24時間後クラックが発生するのを確認します。
クラックの発生位置を測定します。
(クラックが見えづらい場合、手でさらに試験片を折り曲げてクラックを顕在化させます。)
下記計算式で臨界歪みε(%)を算出します。
臨界歪みε(%) = bt{1ー(1/a2-b2/a4)h2}-3/2/2a2×100
測定法:1/4楕円法
ε :臨界歪みε(%)
h :クラック終点までの距離
t :テストピース厚み
a :楕円長径
b :楕円短径
臨界歪みの値から、実使用時の目安を下記表に示します。
あくまでも目安ですので、実用試験によるご確認をお願いします。
臨界歪みε(%) | 実使用時の目安 |
0.5%未満 | わずかな応力のみで割れが発生する可能性が高い |
0.5%以上 0.7%未満 |
薬品との接触により割れが発生する可能性有り 使用条件によって(特に過度の応力がかかる場合)は注意を要する |
0.7%以上 | 薬品との接触により割れが発生する可能性は低い |